昨年に引き続き今年も福岡国税局管内酒類鑑評会で金賞を受賞しました。
純米酒は今年の福岡県酒類鑑評会でも金賞を頂き、2年連続でのダブル受賞となります。
このように賞を頂くと造り手としては非常に嬉しいですし励みとなります。
比翼鶴 純米酒は自社で精米した精米歩合70%のお米を使っています。
精米歩合70%とは、お米の表面から30%分を削り取って中心の70%分を使うという意味です。
比翼鶴 純米酒は、上撰 比翼鶴(本醸造)と同じお米を使用しており、麹米(こうじまい)には八女で栽培される酒造好適米「吟のさと」を、掛米(かけまい)には三瀦で栽培されている酒造米「夢一献」を使用しています。
麹米というのは蒸したお米に麹菌を繁殖させてデンプンを糖化させる作用を持たせたお米で、掛米とはお酒を仕込むときに使用する蒸米のことで麹米に糖化させられるお米です。日本酒の発酵はお米を麹米の糖化力でブドウ糖に分解し、酵母がブドウ糖を食べてアルコールを製成します。麹米と掛米で使い方が違うので比翼鶴 純米酒ではお米の種類を変えています。
純米酒は本醸造と違ってアルコール添加をおこなわないので上槽(じょうそう)時期(=お酒をしぼるタイミング)には非常に気を使います。
アルコール添加は魚の活け締めと同じでお酒をしぼるタイミングをある程度我々にゆだねてくれる素晴らしい技術です。
場合によっては生かしたままの魚より水揚げしてすぐ血抜きした魚の方が味わいが良いのと同じで、酵母も生きて発酵をおこなっているのでどのタイミングで醪(もろみ)と分離してやるかでお酒の味わいに違いが出ます。発酵が旺盛なときにはしぼることが出来ませんし、発酵が弱くなっているのに放っておく訳にもいきません。醪の毎日の分析が上槽時期を教えてくれ、それに合わせて上槽を決めてやります。これは生かしたままの魚を扱うのに似ています。ですので純米酒の上槽にはとても気を使うのです。
そうやって気を使ったお酒ですので、このように評価されるととても嬉しくなります^^。我が子が名門校にでも受かるとこんな気持ちになるのでしょうか?
私や蔵人の力以上に酵母や麹菌の力に感謝したいです。これからも私たちは彼ら(酵母菌や麹菌)が力強く才能を発揮出来るよう、しっかりと環境を整えて応援していきたいと思っています。
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このブログは比翼鶴酒造株式会社 常務取締役 二ノ宮啓輔の個人の意見や考えを書いております。